みんなの レオ・レオーニ展 |
-『スイミー』の原画がスロバキアからやって来る- |
READING LEO LIONNI, AGAIN. |
レオ・レオーニという名前を知らなくても、『スイミー』 という絵本を知っている方は多いいのではないでしょうか。 |
赤い色をした兄弟たちの中で、唯一黒い魚の物語 『スイミー』。 小学校の教科書に掲載され、日本全国で親しまれています。 作者のレオ・レオーニ
(1910-1999) は、イタリアやアメリカでグラフィックデザイナーとして活躍した後、『あおくんときいろちゃん』 で、初めて絵本の世界に足を踏み入れました。
ねずみの 『フレデリック』 や、しやくとりむしの 『ひとあし ひとあし』 など、小さな主人公たちが 「自分とは何か」 を模索し、学んでいく物語を、水彩、油彩、コラージュなど様々な技法を用いて描きました。 |
本展では、ヨーロッパとアメリカを移動し続けたレオーニの波乱の生涯を、作品と重ね合わせながら紹介します。 絵本作家、アート・ディレクターとしての仕事、絵画、彫刻など幅広い活動を紹介し、レオーニが子どもの絵本に初めて抽象表現を取り入れるに至った道筋にも光を当てます。 |
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会期: 2019 12/7 [土]~2020 1/10 [金] |
会期: 2020 2/28 [金]~ 5/10 [日] 巡回展は終了しました。 |
'2019 7_12 「 みんなの レオ・レオーニ展 」 のプレス内覧会の会場内風景です。 画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。 |
「みんなの レオ・レオーニ」 展 |
世代を超えて日本中で愛されている
絵本 『スイミー』 のレオ・レオーニ! |
本展覧会 「 みんなの レオ・レオーニ展 」 図録、ギャラリートーク、チラシより参考に、抜粋文を掲載しています。 |
【展示構成】 |
Chapter 1. レオとアート |
'2019 7_12 「 みんなの レオ・レオーニ展 」 のプレス内覧会の作品展示風景です。 |
Chapter 1. レオとアート |
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アートは、レオーニにとって子どもの頃からそばにある、とても身近なもの。(芸術に囲まれていた、レオの子ども時代) |
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右 レオ・レオーニ ・cat No. 18 《ハロウィーン》 1944 年 油彩、キャンバス 51.0 x 71.5 cm アニー・レオーニ氏/・cat No. 19 《ジプシー》 1945 年 不透明水彩、キャンバス 57.0 x 45.5 cm アニー・レオーニ氏/・cat No. 20 《ヨーリオの娘(オイディプス王)》 1946 年 不透明水彩、キャンバス 38.5 x 46.5 cm アニー・レオーニ氏 |
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・右 1940~60 年代の油絵 子どもの頃から芸術家になることを夢見ていたレオーニは、20 代から油絵を描き始め、様々なスタイルを試して自分の表現を追求していきました。 1930
年代には、短期間ですが、後期未来派の運動にも参加しています。 1947 年に、ニューヨークのノーリスト・ギャラリーで初めての個展を実現させ、尊敬していた画家、ベン・シャーンからも評価されました。
No. 19 「ジプシー」 は、その時出品された作品のひとつです その後一年間、戦後のイタリアへ戻って絵画制作に集中し、アーティストとしての自分を確立していきました。 |
Chapter 3. 平和を求めて |
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レオーニの生きた時代は、戦争の時代でもありました。(亡命先のアメリカで) |
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右 レオ・レオーニ 『グラフィックデザイン』 ・cat No. 71 ニューヨーク近代美術館創立 25 周年記念ポスター 1954 年 印刷、紙 27.0 x 53.0/・cat No.
72 『ザ・ファミリー・オブ・マン(人間家族)』 表紙 1955 年 印刷、紙 63.0 x 44.5cm/・cat No.73 ユネスコポスター「世界公開」
1955 年 印刷、紙 55.0 x 34.2cm/ 『空気』 ・cat No. 77 「空気」 シリーズ:出会い 1986 年頃 油彩、キャンバス 79.5 x 114.5cm/・cat No. 78
「空気」 シリーズ:浄夜その1 1986 年頃 油彩、キャンバス 115.0 x 80.0cm/・cat No. 79 「空気」 シリーズ:橋
1986 年頃 油彩、キャンバス 80.5 x 120.5cm 各、アニー・レオーニ氏蔵 |
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・右 『グラフィックデザイン』 「デザインをするということはパブリックな行為であり、パブリックな責任をともなうものです」 とレオーニは述べています。 常にアーティストの社会における役割を意識していました。
1930 年代のミラノでグラフィックデザインの仕事を始めましたが、レオーニの作品からは、油絵と同様、物語が感じられるものが多く見られます。 アメリカで成功して、アートディレクターになっても、自分自身でイラストレーションを描いたり、レイアウトするなど、手を動かすことを続けていました。
20 年以上にわたる 「物語る」 デザイナーとしての作業の積み重ねは、しっかりと絵本作りにつながっていきます。 |
'2019 7_12 「 みんなの レオ・レオーニ展 」 のプレス内覧会の会場内風景です。 画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。 |
レオ・レオーニ LEO LIONNI (1910-1999) ―プレス内覧会の会場内の映像より― |
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レオ・レオーニ (1910-1999) 年 譜 ―「レオ・レオーニ展」 図録からの抜粋文― |
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・1910 年 |
オランダのアムステルダムで生まれる。 父ルイス・レオーニはダイヤモンド研磨工だったが、後に会計士となり、母エリザベト・グロソウはオペラ歌手だった。 |
・1920 年頃 |
9 歳の時から叔父ピート・グロソウ(母の弟)の指導のもとで国立美術館へ通い、デッサンの基礎を学ぶ。 叔父ルネ―(母の妹の夫) がコレクションしていたピカソのキュビスム時代の肖像画やデ・キリコの作品など、前衛芸術の作品に囲まれて育つ。 こうした家庭環境が、幼少期のレオーニの人格形成に重要な役割を果たした。 |
・1925-28 年 |
アメリカから、一家はイタリアのジェノヴァに移住。 1 年間家庭教師についた後、ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世技術高校に入学。 28 年、チューリッヒ大学経済学部に入学。 |
・1931-35 年 |
12 月末、15 歳の頃に知り合ったノーラ・マッフィと結婚。 この頃、イタリア未来派のリーダ、フィリッポ・トンマーゾ・マリネッティと出会い、未来派の運動を勧められる。 32年、長男ルイス(マニー)誕生。 33 年、ノーラ夫人と息子マニーとともにオランダへ帰国。 しかし、オランダでの仕事や生活が気に入らず、年末に家族とともにミラノに移住。 35 年、ジェノヴァ大学経済・商学部を卒業。 |
・1939 年 |
イタリア政府により差別的な人種法が公布され、ユダヤ人であるレオーニはアメリカに亡命を余儀なくされる。 秋、ノーラ夫人、マニー、パオロとアメリカで再会。 フィラデルフィアの広告会社N.W.エイヤー・アンド・サン社に入社。 |
・1947-48 年 |
ニューヨークのノーリスト・ギャラリーで初めての個展を開催し、油絵 20 点と水彩画 8 点を展示する。 第二次世界大戦後、ようやくイタリアへ戻り、エイヤー社から 1 年間の休暇をもらい、絵画制作に打ち込む。 一家はラヴァーニャに住む。 ラヴェンナで 3 ヵ月間、モザイクの技術の習得に熱中する。 48 年 10 月にアメリカへ戻り、エイヤー社を退職。 フリーランスのグラフィックデザイナーとしてニューヨークにスタジオを構え、CBS放送とオリベッティ社の広告を手がける。 1949 年から 1962年にかけて 『フォーチェン』 誌とタイム社のアートディレクターを務める。 |
・1950-55 年 |
この頃、ニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館、ユネスコ、アメリカ癌協会の広告を手がける。 1954 年、三越ギャラリー(東京)で個展を開催。 1955 年、全米アートディレクター協会より 55 年度アートディレクター賞を授賞。 また 『プリント』 誌の編集長となる。 1951 年から 1958 年にかけてオリベッティ・アメリカ支店のデザインディレクター。 |
・1964-67年 |
『スイミー』 がコルデコット賞次点作となる。 『チコときんいろのつばさ』 がアメリカ図書館協会最優秀作品として指定される。 この頃から画家と絵本作家としての活動を両立。 67 年、『スイミー』 がブラチスラバ世界絵本原画展で金のりんご賞を受賞。 ジュ―リオ・ジャニー二とともにインドのアーメダバードの国立デザイン研究所に滞在し 「スイミー」「フレデリック」のアニメーション・フィルムを制作する。 |
・1977-79 年 |
『平行植物』 で扱った主題の結実として、「プロジェクト・幻想の庭」 と題する彫刻の制作を重ねる。 ヴェローナ、フランクフルト、ケルン、ニューヨークで展示。 |
・1986-99 年 |
ジュ―リオ・ジャニー二とアントネッラ・アッバティエッロとともに、「ぼくのだ! わたしのよ!」「さかなはさかな」「コーネリアス」 のアニメーション・フィルムを制作する。 96 年板橋区立美術館(東京) を皮切りに、4 会場で 「レオ・レオーニ展」 開催。 1999 年 10 月 12 日、イタリア・トスカーナ―で老衰により死去。 享年 89 歳。 |
ギャラリートーク: 松岡希代子 (板橋区立美術館 副館長)「みんなの レオ・レオーニ展」― |
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ギャラリートーク: 森泉文美 (コーディネーター、翻訳家、映像作家)「みんなの レオ・レオーニ展」― |
お問合せ:03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
参考資料:「 レオ・レオーニ展 」 図録、プレス説明会、チラシ他 |
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